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・司会者: 福岡県20代の女性からです。「ネットは、呪いの言葉で溢れているという評論もあったように、
2ちゃんねるやmixiを始め、ネットが愚民化を助長しているように思います。その一方で、民意を
組み上げる『一般意志2.0』だという評価もあったようですが、ネットは反愚民化に役立つと思いますか?
お二人のネットの可能性についての意見が知りたいです」
大塚英志: 近代的な個人の前提は、自分の言葉を持っていて、それを発信して、なおかつ議論が
できるパブリックな場が保証されているってことだったわけですね。だけれども実際には
メディアにモノを書ける人間はついこの間まで限定されていたわけです、だから、そういう意味で
近代的な個人を作る前提みたいな事は理念としてはあったんだけど、ツールとしての
インフラは整ってこなかったわけです。でも今は本当に何かを言おうと思えば、各自が自分で
言葉を発信できるし、それこそニコニコチャンネルで勝手に何かを言うことも可能だし・・・。
というふうに言葉を発信するツールも、議論をしていくツールも出来上がって、いわば
”インフラとしての近代”はネットが可能にしたんだと思います。
ただ、もう一つそこで重要になってくるのは、それが柳田國男の問題なんだけど、「言葉を
どういうふうに作っていくのか」。その言葉は観察し記録する言葉であって、それから議論し
コミュニケーションし、最終的にそこにある合意という公共性を作っていく言葉。そういったものを
作っていくための、いわば言葉の技術や言語的なスキルの問題。そちらの方がネットは
まだ提供できてないんだろうなという気がして。ネットに出来上がっている世論みたいなことを、
いわば一つの空気として、それが「民意なんだ」と。それは多分違う形の何かなんでしょうね。
宮台真司: 僕は、ネットについては、一律に可能性があるともないとも言えない立場ですね。
(>>2-10につづく)
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