12/02/05 09:24:22.54 SPt7Daf40
>>801
音楽と歌の始原を考えると、それは動物としての人の本能や命そのものに根ざしたものだろう。
人は家族や社会として結ばれているが、同時に一人一人ばらばらで離れ孤立した個でもある。
音楽や歌は、そうした個としての人を共感で結びつけ橋渡しする力を持っているのではないだろうか。
だからこそ原始社会から近代に至るまで凡そあらゆる人間集団や社会にとって歌や音楽は欠かせなかった。
村落、国家、学校、軍隊など、みな自らの歌を持っている。
マスメディアの普及と共に音楽は産業化する。
ヨーロッパで貴族の囲いの中にあった音楽は、ラジオやレコードで大衆に届けられるようになったが、
それはつまりメディアの囲いの下で、その恣意による事になった。
その年の流行色が繊維産業の都合で予め決まるというモード業界のようなものだ。
インターネットと初音ミクはついに音楽の作り手と聴きてを直接に結びつけるという、
音楽の始原への再帰に成功したのではないかと思う。
規模を始原の10万倍にして。