12/02/05 11:48:21.43 AANc0pa70
大晦日、俺は吾郎を誘って裸参りに出掛けた。
この地方の有名な寺では褌一丁で初詣の参拝をすると一年無病息災招福とされていて
裸自慢褌自慢の男達が集まってくるのだ。
「兄貴、俺一度は裸参りしたいと思ってたけどなかなか来るチャンスがなくて誘ってくれて嬉しいッス」
「オウ! お前も今年一人前の野郎になったからな!」
「エッ、何のことすか?」吾郎は少しどぎまぎして云った。
アレのことを意識したようだ。かわいい奴だ。
「ハハハ! 六尺をバリッと締められるようになったってことさ、見てみろ! 他の連中を、みんな褌が決まっているだろう!」
寺の参道には裸の男達が集まりはじめていたが老いも若きも皆、六尺、越中、モッコと
褌を締めこなした一癖ありそうな奴らばかりだった。俺と吾郎は真新しい白の六尺だ。
俺は人々の中に一人の男を見つけた。
「オウ! お前も来ていたのか!」
そいつは豆絞りの六尺を締めこなしたゴツイ髭の同年配の雄だ。
「コイツは信吉と言って俺の昔なじみだ。コイツは吾郎だ」
俺はそれぞれ紹介した。