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民間企業では考えられない公務員の退職金システム。なんと地方債の発行許可をフルに使って、
ないはずの退職金を大盤振る舞いしているのだ。過去5年間で兵庫県は約1500億円、北海道は940億円…
市区町村を含まない47都道府県だけでその借金、1兆5000億円にも上っているのだ
「公務員退職手当債とは、つまるところ、公務員の優雅な老後のために、借金をして、
子供たちの未来にツケを回しているのです。こんなことが許されますか」
こう批判するのは、公務員問題を追及するジャーナリスト・若林亜紀氏だ。
民間企業なら、経営状態が苦しければ、高額の退職金を出すなどありえない。そんなことをしたら倒産してしまう。
ところが、全国47都道府県と市区町村で280万人もの職員を抱える地方自治体は
借金をしてまで退職者に大盤振る舞いしているのだ。返済はむろん血税で賄われる。
「民間では、赤字なら退職金がまったく支払われなくてもおかしくない。退職金を払うために社債を発行する企業など存在しません。
おカネがないなら、本来は退職手当の水準を下げればいいのです。
でも、公務員の場合、世代間の不公平をなくすために、総務省が債券の発行を認めた。国の無茶な方針なのです」(若林氏)
官民格差の是正を求め、公務員の非常識な厚遇ぶりを暴く本誌「役人天国」シリーズ。
第6弾として取り上げるのはとんでもない退職金システムだ。
若林氏も指摘するように、地方公務員の退職金を巡っては、「退職手当債」と呼ばれる地方債が毎年発行され、
次々に借金が積み上げられている。さっそく、やりたい放題の退職手当債の実態を見ていこう。
まず、「退職手当債」とは何か、ご存じない方も多いだろう。奈良県大和郡山市役所や新潟県庁勤務を経験した
兵庫県立大学大学院・応用情報科学研究科教授の中野雅至氏が解説する。
「公務員の退職手当(退職金)に充てるために発行する地方債のことです。かつては、勧奨退職者(早期退職者)向けにのみ
発行が許可されていましたが、団塊の世代の大量退職の対策として、'06年度から、通常の60歳定年退職者向けにまで適用の範囲を広げたのです。
それ以降、各自治体が続々と発行し続けています」
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