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大陸から日本列島への渡来は、おそらく縄文末期から始まったのだろうが、
弥生時代になって急に増加し、以後、七世紀までのほぼ一〇〇〇年にわたって続いた。
渡来集団はまず北部九州や本州の日本海沿岸部に到着し、渡来人の数が増すにつれて小さなクニグニを作り始めた。
さらに彼らは東進して近畿地方に至り、クニグニの間の抗争を経てついに統一政府、つまり朝廷が樹立された。
その後朝廷は積極的に大陸から学者、技術者などを迎え、近畿地方は渡来人の中心になった。
また土着の縄文系集団を「同化」するため北に南にと遠征軍を派遣し、
一部の地方には政府の出先機関も設置された。
渡来系の遺伝子はこのようにして徐々に拡散したが、
縄文系と渡来系との混血は近畿から離れるにつれて薄くなる。
現代にもみられる日本人の地域性は、両集団の混血の濃淡によって説明される。
混血がほとんど、あるいはわずかしか起こらなかった
北海道と南西諸島に縄文系の特徴を濃厚に残す集団が住んでいることも、
同じ論理によって説明することができる。 (『日本人の骨とルーツ』角川書店、pp. 44-45)