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★東日本大震災:議事録未作成 民主「公開」看板に傷 「政務三役」に適用、及び腰
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故に関して政府が設置した会議の議事録など
が作成されていなかった問題で、野田佳彦首相は30日の参院代表質問で「誠に遺憾
だ」と陳謝した。政府は議事の概要もない5会議について、2月中の概要作成を指示。
「事後に作成すれば(公文書管理)法違反ではない」(岡田克也副総理)と火消しに躍
起だ。しかし野党は、10に上る会議で詳細な議事録が存在しないことを重視。積極的
な情報公開を掲げてきた民主党政権の「有言不実行」を追及する構えだ。
「全く信じられず、理解不可能だ」。原発事故に関する国会事故調査委員会の黒川清
委員長(元日本学術会議会長)は30日、埼玉県加須市での記者会見で、議事録の未作
成問題を批判。「復元した記録ではなく、あるもの全て出してほしい」と述べ、原子力
災害対策本部の出席者のメモなどを、加工せずに提出するよう政府に求めた。
公文書管理法は、重要な会議の意思決定や経緯を記した文書を作るように義務づけて
いる。政府は出席者の詳細な発言を記した議事録がなくても、要点をまとめた議事概要
を作っていれば、同法違反に当たらないと判断。関係者の処分についても「最初から罰
則を振りかざすべきではない」(岡田氏)と慎重な考えを示している。
しかし、福島県双葉町の井戸川克隆町長も30日の事故調で「議事録がないのは背信
行為だ」と批判した。被災地からもこうした声が上がるに及び、藤村修官房長官は同日
の記者会見で「(概要だけでなく)きちんとやるべきだ」と強調。今後、各会議に議事
録の作成を求める意向を示さざるを得なかった。
(続く)
毎日新聞 2012年1月31日 東京朝刊【松尾良】
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