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・大阪市の橋下市長が、市職員からの内部告発などを受け付け始めたところ、多くの「通報」が
寄せられていることが分かった。橋下市長は自分のメールアドレスを全職員に公開、「(通常の)
ラインでは上がってこない貴重な情報がどんどんくる」と独自の情報収集術に胸を張る。
しかし「密告奨励」とも取れる手法で、「職場がギスギスし始めた」との声が出ているほか、
専門家も「職員同士の連帯を損なう」と指摘している。
「市の労働組合の意向で昇任試験の受験を遅らされた」「組合に迎合する区役所の
総務課長だと、組合の人事案を受け入れてしまう」
昨年末に橋下市長が就任した際、職員から複数のメールが寄せられた。労働組合が市の人事に
介入しているとの証言で、橋下市長は不当な介入がないか、調査を指示した。
年明けには市教委の視察に関する情報もメールで寄せられた。今月10日の市長と
教育委員の意見交換会の直前、学校視察が駆け込み的に行われたという内容で、橋下市長は
視察の実態を市教委に報告させた。病気休職の不正取得の手口を通報するものもあった。
橋下市長は「たくさん来ている。しっかり厳正に対処したい」と話す。
また、手紙で受け付ける「目安箱」を今月設けたところ、20日間で約50通が届いた。所定の様式に
従って市役所に郵送すると、市長に直接届き、他の職員が中身を見ることはないという。
職員からの内部告発は、橋下市長が進める公務員制度改革や労働組合との関係見直しなどに
直結している。告発を奨励するため、市と市教委の懲戒処分の指針も改め、職員が不正行為に
関係していても市に通報して不祥事の全容解明に貢献した場合、処分を軽減することを明記した。
原則免職にはしないこともルール化し、25日から運用している。
一方、こうした手法を問題視する声も上がる。市教育委員会会議では、指針を改めることについて、
委員の一人が「信頼関係を生む仕組み作りが重要ではないか」と指摘した。ある職員は「『壁に耳あり、
障子に目あり』という感じで萎縮している職員もいる」と打ち明ける。(抜粋)
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