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安曇野市出身の映画監督熊井啓さんの作品「日本の黒い夏 冤罪(えんざい)」は、捜査や報道の
あり方を鋭く問う。松本サリン事件を扱い、2001年に公開された。何度見ても身が引き締まる
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吉村昭さんの「破獄」の映画化にも取り組んだが、果たせぬまま07年に亡くなった。最近出た
明子夫人の「めぐりあい―映画に生きた熊井啓との46年」(春秋社)で知った。一人の囚人が
天才的な脱獄を繰り返したが、やがて人情あつい所長と出会って立ち直るという物語である
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熊井、吉村両氏の意気投合ぶりも分かる。だが作家は病気を隠して06年に亡くなった。監督は倒れたとき、
たずさえていたかばんの中に「破獄」第七稿のシナリオを入れていた。随所に鉛筆で書き込みがある。
映画ができると高揚した気持ちのまま他界した
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明子さんは松本市の出身で、夫の映画作りに協力しつつ、随筆家、シェークスピアやポプリの研究家としても
知られる。伊那谷を襲った三六災害(1961年)のときは、下伊那郡の下清内路小学校の先生だった。
結婚後は映画界の人たちとの交流も多い
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夫を失ったとき、作家の清川妙さんから手紙をもらう。亡きかたをおからだや心にそのままお入れになって、
ご一緒に生きていらっしゃいませ―。思わずむせび泣いたという。誰にも出会いと別れがある。そのときに、
優しい言葉をかけることの大切さが伝わる。
ソース:URLリンク(www.shinmai.co.jp)