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消費税アップで倒産予備軍10万件
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2011年12月15日 掲載 日刊ゲンダイ
■価格転嫁できない中小企業がバタバタ潰れる <日本のモノ作りを壊滅させる気か>
「消費税は中小企業にとって死活問題です。消費税分を値上げできず、価格競争を続けざるを得ないでしょう。そ
のシワ寄せは下請け、孫請けに押し付けられるのです」(東京商工リサーチ情報本部長・友田信男氏)
消費税を店頭で払うのは消費者でも、実際に税金を納めるのは店や会社だ。消費税を店頭価格に上乗せできな
ければ、事業者が肩代わりすることになる。負担を他に押し付けられない中小・零細企業は、自腹を切って税金を
納めるしかない。それも払えればまだマシで、消費税分を払えずに滞納している中小企業は少なくない。2010年度
の消費税滞納額は約3400億円。国税全体の滞納額の半分を占めている。
「消費税率が3%から5%に上がった翌年度の滞納額は7249億円で過去最高でした。現行の5%から税率が上が
れば、滞納額も跳ね上がるのは間違いありません」(経産省関係者)
自腹を切るにも限界があるし、滞納すれば年14.6%の延滞税率が課される。立ち行かなくなった中小・零細企業
がいずれ廃業に追い込まれるのは自明の理だ。
「日本には現在262万社の企業がありますが、このうち法人税を納めているのは25%しかないのです。残り75%
は赤字ということ。消費税は赤字でも払わなくてはなりません。赤字経営の企業にとって、消費税の負担増は致命
傷になる。いわば日本企業の75%が倒産予備軍です」(友田信男氏=前出)
少なく見積もって赤字企業の5%としても、10万件が倒産の危機に直面するのは間違いない。大震災の影響で、
ただでさえ倒産増が懸念されているのに、消費税を価格に転嫁できない中小・零細企業がバタバタ倒れれば、失業
者が街にあふれ、雇用は悪化、消費はますます低迷する。日本経済は機能停止。二度と這い上がれなくなってしま
う。