12/01/13 21:15:40.88 YlXHpxyd0
「暴力装置」という不適切な訳語はヴェーバーに始まったものでは
ありません。
1848年 マルクス「共産党宣言」
1917年 レーニン「国家と革命」
1919年 マックスヴェーバー「職業としての政治」講演
「共産党宣言」には「階級対立を止揚するには労働者階級がgewaltsamに
生産関係を変えるしかない」旨が書かれており、前後の文脈からも日本語
でいう「暴力」の意味を読み取ることはどうやっても不可能。「暴力」と
いう訳語は当時の学者さんたちの誤訳といえましょう。
「国家と革命」には「国家の本質は○○装置であって、それは警察や軍隊
からなる」(○○部分のロシア語原文はわかりませんけど)とあり、
あくまで過去や当時の国家の本質を客観的に述べたものであって、
そこには軍隊に対する侮蔑の意味はありません。
ヴェーバーは後の世代としてマルクスやレーニンの影響を受けており、
講演で使っている用語も「Gewaltmonopol des Staates」だそうです。
これを「暴力装置」と訳すにはかなり無理があるでしょう。
つまり言いたいことは、仙谷やそのよりどころである中国の
「社会主義」観がいかにいい加減なものであるかということです。
仙谷を追求するべき側である保守層が「ヴェーバーの用語だろ」などと
自ら仙谷に塩を送っているのは残念なことであります。
「俺たちは暴力装置呼ばわりをなんとも思ってない。だって実際に
暴力装置だから」と言っていた自衛隊員のほうがずっと常識的で信頼に
足るといえましょう。