12/01/07 16:17:03.72 0
問題はブロガーによって指摘され、英語化されてグーグルの米国本社を巻き込んだ騒動となった。
結局、グーグル自身のポリシーに反していたことが分かり謝罪することになった。
これは口コミマーケティングがレビューサイトの問題にとどまらず、検索エンジンにも広がることを意味した。
情報を検索する際に上位に表示されるサイトが「金で買われた」ものなら、誰も検索結果を信用しなくなる。
食べログは信頼性を維持するためにシステム構築など対策を取っている。
しかし、やらせが繰り返された結果、レビューサイトや口コミサイトの公平性は疑われ始めている。
今回の一件が知られるようになると、掲示板や「ツイッター」に「そもそもレビューは信じていない」といった書き込みが見られた。
筆者は大学でメディアリテラシーを講義しており、ステルスマーケティングの問題を扱ったが、
このときも「ウソがあると思いながら利用している」という複数の声があった。
メディアリテラシーの観点から言えばどのようなメディアの情報でも100パーセント信じるのも問題だが、
信頼感が維持されなければ、ネットを身近な情報ツールとして活用することが難しくなる。
よい口コミだけを欲しがる広告主と不正事業者の行為は、結果的に広告主の首を絞める行為だが、なぜ減らないのか。
そこには口コミマーケティング業界に関わる構造的な問題が横たわるからだ。
口コミでプロモーションしようとする事業者は、扱うのが口コミだけに多数の書き込みと広告主への営業という人海戦術でカバーでき、
新規参入が容易である。ソーシャルメディアには詳しくても、広告倫理や景品表示に関する知識が乏しく、
無自覚なままステルスマーケティングを実施していることもある。
口コミは広告代理店の商品の一部として取り扱われることも多い。広告代理店はこれまでメディアを買う
(テレビや新聞の枠に広告を掲載する)仕事をしてきた。その考えの延長でネットの口コミも「買える」と考える人もいる。
また、テレビや雑誌のタイアップや番組中に製品を宣伝するプロダクトプレイスメントなど関係性を
なるべく見えなくして自然に紹介するなど、以前から存在しているプロモーション手法をネットに持ち込むこともある。