12/01/04 10:12:23.62 0
福島の原子力事故から8ヶ月の間、原子力問題に関する報道が数多く出ている。しかし放射線による死者は出ていない。
これは大変興味深いことだ。通常は、これほどメディアの注目を集め続けるような大事故であれば、
何10、何100どころか何1000人もの死者が出ているものだ。福島では3基の原子炉が自壊した。
この規模だとウィンズケール(1957年、英)、スリーマイル島(1979年、米)、そしてチェルノブイリ(1986年、ウクライナ)での
1基のみの原子炉事故よりも状況は悪い。しかし、チェルノブイリを除くいずれの場所でも死者はでていない。
チェルノブイリでの死亡者数は、現在では50人未満であったと確定されている[1]。
私たちは何か間違いを犯したのだろうか。放射線は一般に考えられているよりも害が少ないのだろうか。
放射線の安全性と原子力技術の扱いを、他の技術に比べて特別にする理由などない。
経験に照らし合わせて、利益に対するリスクのバランスを取りながら扱うべき問題だが、
不幸なことに現実はそのようにはなっていない。1951年、安全レベルは1週間あたり3mSv(1ヶ月あたり12mSv)に設定されていた[3]。
市民がこのレベルの放射線で安全にすごせる記録があったにもかかわらず、1951年以降には一般市民を対象に推奨される基準の最高値が、
ALARA の名のもとに150倍低く「減らされて」設定されたのだ。これは賢明だったのだろうか。
臨床医学において、個人の健康に効果のある放射線の被曝実験では、安全レベルは1週当たり3mSvの8倍
「増やして」いいかもしれないと提案されている[4]。
偶然だが、放射線をめぐる状況は、交通速度規制の緩和化と、さほど異なるものではない。
興味深いことだが放射能を科学的に解明してノーベル賞を受賞したキューリー夫妻のうち、
妻マリー・キュリーはその研究活動において莫大な量の放射線を浴びたにもかかわらず1934年まで生存した(享年66歳)。
一方で夫であるピエール・キュリーは1906年パリで馬に引きずられるという交通事故で亡くなった。
最も有名な科学者たちとはいえ、このケースから、放射線の危険性について結論づけるのは科学的ではないことだが。
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