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まさにぎりぎりの「年内決着」だ。税と社会保障の一体改革で、最大の焦点となった消費税率引き上げの幅と時期を民主党がやっと決めた。
まず14年4月に8%、15年10月には10%まで引き上げる。反対派に譲歩する形で、野田佳彦首相自ら、
原案にあった時期をそれぞれ半年遅らせる修正案を示し、了承を得た。
決して立派な出来だとほめられる内容ではない。それでも、増税そのものへの反対論が渦巻き、離党者まで出る状況下で、
何とか年内に増税時期と幅を決めたことは評価する。首相が、「政権与党は一番苦しいテーマから逃げてはならない」と訴え、
先送りやあいまい決着を許さない姿勢を貫いたのは正しかった。
政府が15年度の10%にこだわったのには理由がある。昨年6月に閣議決定した財政健全化目標だ。
借金の返済分を除いた国と地方の財政収支の赤字(国内総生産比)を15年度までに半減させ20年度までに黒字化するというものである。
「15年度に消費税率10%」を実現できなければ、健全化の一里塚に過ぎない約束さえ守れないということになる。
ギリシャに始まった欧州の債務危機が突きつけた問題は国家の信用力だ。借金の規模以上に、財政を改善させる政治の意思と実行力が注視されている。
一度、約束をほごにすると信用が大きく揺らぎ、回復がいかに重い犠牲を伴うかということを国債市場が残酷なほど鮮明にした。
その意味で、民主党が消費増税実現に一歩踏み出した意義は小さくない。
今後、最終案や法案に仕上げる過程で、これ以上後退のないよう、首相のリーダーシップを望みたい。
強調しておきたいのは、「景気への悪影響」は極端な場合を除き、増税先送りの理由にならない点だ。後になれば景気がよくなる保証などない。
選挙の都合という事情から景気を口実にするのは無責任だ。先の見通しを明確にしない方が、企業活動にも市場にも悪影響を及ぼす。(>>2-3へ続く)
毎日新聞 2011年12月31日 2時31分
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