11/12/22 12:11:30.66 0
・「何が楽しいんですか、人が1人死んでいるんですよ」
射水市で中2男子が自殺した翌日の11月27日の午後6時頃。生徒の学校での様子を
知ろうと、市内のショッピングセンターで同じ学校に通う数人の男子から話を聞いているとき、遠巻きに
こちらを見ていた女子生徒が突然近寄ってきて言い放った。
「楽しくなんかない」。とっさに答えると、即座に「じゃあなんでそんなニヤニヤした顔で話を
しているんですか」。女子生徒は、軽口をたたきながら取材していたことを問題にしているのだ。
「しかめっ面してたら、話聞けるのか。取材は真剣にやっている」。答えてみたものの苦しい
言い訳にしか聞こえない。彼女の顔は怒りからか真っ赤で、目からは涙があふれていた。
彼女は自殺した生徒を知っているのだろう。そして、その生徒の死について、見知らぬ大人が
愛想よくしながら聞いて回っていることへの不快感を、ストレートにぶつけてきたのだと思う。
動揺した。「ずるさを見透かされている」ようで恥ずかしさも感じた。
その日は朝から中学校近くの家を一軒一軒訪ねたが、亡くなった生徒の詳しい話は聞けなかった。
夕方、先輩記者の助言で向かったショッピングセンターで、やっと同じ学校の生徒たちを見つけた。
確かに、相手の警戒感を解こうと焦った結果、機嫌をとりながら話を聞く形となっていた。
いい情報を得たいとの思いだけが頭にあった。男子生徒たちも自分の腹を見透かしていたのかも
しれない。結局、あまり内容のある話はしてくれなかった。支局にもどる途中、人々の悲しみへの
配慮を見失っていた自分が情けなく、そして、悔しくて、運転していた車のハンドルを何度もたたいた。
取材では、自殺直前の11月24日、生徒が暴力を受けていることを学校に相談していたため
いじめとの関連が問題となった。学校幹部や同市教委からは「いじめと言えるか分からないが
嫌がらせはあった」「暴力を受けていたとは言いきれないが、たたかれたりはしていた」と
歯切れの悪い説明を度々聞いた。女子生徒の前で言い訳をした自分とどこか重なった。(抜粋)
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