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(>>1のつづき)
曝露療法の際に用いられるDCSは、恐怖反応の統制に関与している脳の経路に働きかけ、
書き直しを促進すると考えられている。DCSにより、脳が学習するプロセスが強化されるようだ。
DCSはまた、恐怖反応を司る脳の領域である小脳扁桃にあるレセプターと結合する。そのため
患者がトラウマ体験を再体験している「あいだに」恐怖反応をブロックすることで、DCSは恐怖を
出どころから、文字どおり「消去」できると専門家は考えている。
DCS自体は1960年代から存在しており、最初は結核の治療に使われた[抗生物質の一種]。
しかし現在は、抑鬱症、統合失調症、強迫性障害、そしてPTSDなどの症状を緩和して、
錠剤の常用をせずにすませられるという可能性のほうに、研究者は関心を向けている。
エモリー大学の研究チームは、PTSD、高所恐怖症、および強迫性障害の患者に、DCSと
バーチャル・リアリティーの利用をすでに試みている。バーバラ・ロスバウムらの同大学の
研究チームは2006年以降、患者にDCS、ザナックス[抗不安薬]、また偽薬を用いて、
曝露療法の比較実験を行っている。
一方で、DCSに関する人体研究には、望みが持てない結果が出ているものもある。
2010年には、国際トラウマティック・ストレス学会(ISTSS)の大会で、DCSを使った
期待はずれの試験が数件、発表されている。(以上、一部略)