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日韓の首脳が気軽に相互訪問して意見交換するのがシャトル外交の良さだが、今回は「肩ひじ張らずに」とはいかなかった。
旧日本軍の従軍慰安婦問題に焦点があてられたためだ。日韓の「歴史のトゲ」がまだ抜けないことを物語るもので、
未来志向の関係構築が口で言うほど簡単ではないことを実感する。
この問題が改めて浮上したのは韓国の憲法裁判所が8月、
賠償請求権について韓国政府が十分な努力をしていないのは違憲との判断を下したことが背景にある。
今月14日には元慰安婦の支援団体がソウルの日本大使館前に慰安婦をモチーフにした少女の像を建てるなど、世論の関心が高まった。
李明博(イ・ミョンバク)大統領が強い姿勢で会談に臨まざるを得ない事情があったことは理解できる。
だが、それを考慮に入れたとしても、首脳会談の大半をこの問題に費やしたとされる韓国側の対応は、日韓関係の大局からみてバランスを欠く。
大使館前にこうした像を建てることは、これまで慰安婦問題に理解を示してきた日本の世論にも受け入れられるものではないだろう。
撤去を求めた野田佳彦首相の対応は主権国家として当然である。
日韓の財産・請求権に関する問題は、65年の国交正常化に伴う協定で「完全かつ最終的に解決された」と明記されている。
このため90年代に慰安婦への補償が外交問題になった時も、日本政府は国家賠償には応じなかった。
その代わり官房長官談話で「当時の軍の関与」を認め、95年に「女性のためのアジア平和国民基金」を設立。国民各層からの寄付金を原資に韓国、
台湾、フィリピンの元慰安婦に1人当たり200万円の「償い金」を渡すことなどを決め、首相の「おわびと反省の手紙」も届けることにした。
基金は事業を終えて07年に解散している。
基金による償い金は、日韓双方の世論にも配慮し、さまざまな論議を経たうえでの政治決断だった。
その経緯を踏まえれば、元慰安婦への賠償問題を日韓間で再び政治問題化することは適当ではない。(>>2-3へ続く)
毎日新聞 2011年12月19日 2時31分
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