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東京電力は9日、福島第1原発事故の収束作業を陣頭指揮し、病気療養のために退任した吉田昌郎前所長(56)の病名が、
「食道がん」であることを明らかにした。事故後の吉田氏の内部、外部合わせた被ばく放射線量は約70ミリシーベルト。
だが、発症までの期間を考慮すると、がんの原因が被ばくによる可能性は「極めて低い」としている。
これまで、プライバシー保護を理由に公表されず、様々な憶測も呼んでいた吉田前所長の病名は「食道がん」と説明された。
東電は9日、都内で会見を開き、病名を初めて明かした。伊藤眞一原子力・立地業務部長によると、
吉田氏はこの日、福島第1原発を訪れ、免震重要棟で、現場作業員らにあいさつを行い、その中で、食道がんと闘病中であることを公表した。
吉田氏は作業員を前に「心配、迷惑をかけたことを、おわびしたい。これまでの尽力に感謝している」と語り、激励したという。
3月11日から、療養のため原発を離れた11月13日までの被ばく線量は、内外部合わせて約70ミリシーベルト。
厚労省は今回の事故を受け、本来100ミリシーベルトだった作業員の被ばく線量限度を特例的に250ミリシーベルトに引き上げており、
吉田氏の被ばく線量はその範囲内にとどまっている。
伊藤部長は、放射線医学総合研究所の明石真言医師の見解として「仮に被ばくが、がん発症に影響するとしても、食道がんであれば、
発症までの潜伏期は少なくとも5年、一般的には10年程度と考えられるため、
がんの原因が事故後の被ばくによるものである可能性は極めて低い」と説明した。
東電によると、吉田氏は11月の健康診断で食道がんと判明、24日に東京都内の病院に入院した。
昨秋の健康診断では異常は見つからなかったという。伊藤部長は「病状、治療方針は公表を控えたい」としている。
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【原発問題】 吉田前所長は食道がん…東電が公表★2
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