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警視庁の内部に動きがあったのは10月下旬のこと。
突然トップダウンの命令で、
警視庁管内の各部署から、精鋭の「ハイテク刑事」たちが都内某所に集められた。
捜査関係者が語る。
「サイバー犯罪対策課の刑事を中心に20人以上も招集された。
『2ちゃんねるを潰すこと』のみを任務とする専従捜査員です。
警視庁のトップ樋口建史・警視総監からの指示でした。
それも、片桐裕・警察庁長官が警視総監経由で指示を出した“特命事件”だったのです」
精鋭ハイテクチームは11月初め、都内某所に特別に設けられたスペースで2ちゃんねるをくまなくチェックし、
犯罪の“萌芽となる事実”の洗い出しを始めた。
「現場のヤル気は相当なもので、11月上旬には『麻薬特例法違反』で令状を取ることが決まり、
11/24に北海道と東京で一斉に“ガサ入れ”を行う、というハイペースで捜査は進んでいます」
家宅捜索の容疑となったのは麻薬特例法違反。
法律で規制された薬物を買えるような環境を放置しておくことも「幇助」に当たるため罪に問える。
精鋭ハイテクチームは、違法薬物を売買できる書き込みを放置したこと自体が違法だと見ているようだ。
いまだ逮捕者は確認できていないが、ある警察庁関係者は今回の家宅捜索の狙いをこう語る。
「まずは、2ちゃんねるがどういう運営実態なのかを明らかにするのが目的のようだ。
今はまだ証拠集めの段階」
ネット掲示板への書き込みが「違法行為」と見なされる事例は増加傾向にある。
警察庁から依頼を受けネット上の違法情報などの統計を取っている「財団法人インターネット協会」によれば、
2011年度上半期の「違法情報」件数は1万9286件で、前年同期よりも約4%増加しているという。
同協会はプロバイダーを通じて違法情報の削除を要請しているが、約42%は要請に応じていない。
削除依頼に応じないうちの半数以上が「2ちゃんねる内の書き込み」だとも言われている。
トラブルも多く、00年時点で殺人未遂、威力業務妨害などで逮捕者が出ている。
直近では11月10日に2ちゃんねるで客を募り、違法薬物を密売して約4千万円を売り上げたとして
神奈川・香川両県警などが男女11人を逮捕した。