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引っ越しが多く友達ができなかった。私は誰かと深い仲に
なることを恐れいつしか喋ることも拒絶するようになった
。クラスでも孤立し今思えば教師にも露骨に疎ましがられ
ていた。そんな私にも校庭の隅に友達がいた。私が小屋に
近付くと白い身体を震わせてよろよろとよってくる。私が
金網越しに額をなでると気持ち良さそうにする。学校のそ
ばで弱っていたのを拾って飼っているのだが生徒達には人
気がなかった。怪我だらけで元気がなかったし片方の耳は
途中からちぎれていた。それに遊び相手の動物といえば他
に猫がいた。みんなは猫と遊んだ。私は喘息の症状が出る
ので猫ともみんなとも遊べなかったけど。彼の世話の当番
は罰ゲームみたいな扱いだ。だからこそ私は彼が好きだっ
た。勝手な話だが、私は自分の姿を彼に重ね合わせていた
のかもしれない。ぼんやりとした薄暗い日常の中、彼と触
れ合うひと時は子供の頃の私の幸せといえる唯一の瞬間だ
った。ある日私はいつものように胸を弾ませて小屋に行っ
た。扉が開いていて、小屋の中に赤い液体が転々と散らば
っている。小屋の中には、私の友達が首だけになって置か
れていた。その首を一匹の猫が舐めていた。私はその猫を
踏みつけて首をねじりあげた変な声を上げて咳が咳が止ま