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福島第1原発事故をめぐり、東京電力が2日に公表した事故調査報告書。発電所員への
聞き取り調査などで、事故直後の緊迫した状況が浮かび上がった。一方、事故検証では
「予測できなかった」「(厳しい環境で)難しかった」などの言葉が踊り、弁明に終始。
これまで謎とされてきた、多くの事項についても未解明のままで課題を残した。
「海水が流れ込んできている!」。福島第1原発に津波が押し寄せた3月11日午後3時半すぎ、
原発をコントロールする中央操作室に運転員が駆け込んできた。室内の電源のランプが
点滅を始めると、一斉に消灯。暗闇に包まれた。
「操作もできず、手も足も出ないのに、われわれがここにいる意味があるのか」。
運転員から噴出する不満や不安の声。対応した責任者は頭を下げ、「ここに残ってくれ」と
懇願するしかなかった。
東電による聞き取り調査で判明した、事故直後の状況だ。ほかにも原子炉の圧力を抜く
ベント作業に向かった作業員は「ボコッ、ボコッと大きく不気味な音を聞いた」と証言。
高温場所で「長靴がズルッと溶けた」こともあった。
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