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★社説:「女性宮家」 皇室の将来へ論議を
皇族減少の懸念から「女性宮家」などが検討されようとしている。
女性皇族が結婚後も皇族にとどまり、数を維持しようというものだ。
積年の課題である皇位継承安定に密接にかかわっている。広く、建設的な論議を期待したい。
藤村修官房長官によると、宮内庁の羽毛田信吾長官が先月、野田佳彦首相に対し
「女性皇族が結婚に近い年齢になり、皇室の活動に緊急性の高い課題」と現況を伝えたという。
具体的動きはまだだが、こうした制度見直しについて藤村官房長官は記者会見で
「国民各層の議論を十分踏まえて検討したい」と語った。
現在皇室は天皇陛下と22人の皇族から成り、8人の未婚女性のうち、6人が成人している。
皇室の基本を定める皇室典範では、女性は皇族以外と結婚した場合は皇籍離脱となり、皇族ではなくなる。
一方、皇位継承資格者は「男系男子」と定められ、現在その順位は皇太子さま、弟の秋篠宮さま、
その長男の悠仁(ひさひと)さまと続く。天皇陛下の孫の世代では悠仁さまだけだ。
現行制度のままでは、将来長きにわたる継承は不安定にならざるを得ない。
そうした中で、女性を皇族にとどめる意見は出ていた。
自民党政権の小泉純一郎首相は安定的な継承へ道筋をつけるため私的諮問機関の有識者会議を設けた。
05年11月、会議は「男系男子の皇位継承維持は極めて困難」としたうえで、
女系・女性天皇を容認し「長子優先」「女性皇族は結婚後も皇族にとどまる」などとする報告を出した。
そして皇室典範改正案が国会に提出されるはずだったが、異論も強く、06年9月、
悠仁さまが誕生して議論は事実上棚上げになっていた。
「女性宮家」は皇族の数を維持するとともに皇位継承の資格者を広げる可能性がある。
もちろん短兵急に決めることはできない。国民に広く開かれた論議と理解が大切だ。(続く)
毎日新聞 URLリンク(mainichi.jp)
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