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推薦入試やAO入試の増加で大学生の学力低下が指摘される中、大学入試センター(東京都目黒区)は
新しい大学入学試験の導入に向けた研究を始めた。読解力や推論力・分析力を問う「総合型試験」の導入の可否を、
4年後までをめどに検討する。この総合型試験の成績とともに、作文や面接といった推薦・AO入試の結果を合わせて
大学側が合否を判定できるようにし、大学生の学力アップを目指す。【澤圭一郎】
文部科学省がまとめた09年度の国公私立大の入試状況によると、大学学部の入学者数は59万7000人。
このうち推薦入試やAO入試で入学した学生は約26万1000人で4割以上、私立大に限れば5割に達する。
大半は筆記試験を実施せず、面接や作文で合否を決める。こうしたことから学力の不足が指摘され、
大学によっては入学前に学力を補うための事前教育を実施しているところもある。
同センターは03年から10年まで、法科大学院の入試にあたる適性試験(マークシート方式)を作ってきた。
グラフのデータを読み取って分析させたり、確率や組み合わせなどを問う「推論・分析力テスト」と、
長文を読ませて読解力や表現力を見る「読解・表現力テスト」の2種類を8年にわたって作成・実施してきた。
新しい総合型試験は、このノウハウを利用して作成を検討。秋に推薦入試やAO入試が実施されていることから、
高校3年の夏前に大学が総合型試験を実施し、面接や作文に加味することも視野に入れる。
センターは今年度から始まった第3期中期計画に研究実施を盛り込み、15年度までかけて試行も含めて可否を検討する。
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■ことば
◇AO入試
米国の大学で入試を担当する「アドミッション・オフィス」(入学事務局)が名前の由来で、志望理由書を提出させ、
面接や小論文で選考するのが一般的。個性や適性など人物を重視する。日本では90年度入試に慶応大が初めて導入した。
毎日新聞 2011年11月25日 東京夕刊
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