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「肉が硬い」「サシ(脂身)の入りが良くない」とされてきた、黒毛和牛で出産を終えた
「経産牛」を放牧すると、肉がおいしくなり、体脂肪減少の効果が期待される
成分が増えることが、独立行政法人「農研機構近畿中国四国農業研究センター」
(広島県福山市西深津町)の研究で分かった。
除草の手間が省け、畜産農家の増収につながるとして、同センターは耕作放棄地で放牧、
「熟ビーフ」の名で売り出すことを目指している。
黒毛和牛は、サシの入りが良い、去勢した雄牛や未経産の雌牛のものが人気が高く、
高値で取引される。繁殖用の雌牛は10回前後お産をした後、経産牛として市場に出されるが、
低い価格しかつかないという。
同センターは、島根県大田市で、約5ヘクタールの耕作放棄地に4頭の経産牛を放牧し、
肉質を検査する研究を2007年にスタート。約5か月間放牧した経産牛の肉には、
体脂肪を減らし抗がん作用も期待されている脂肪・共役リノール酸が、
従来通り穀物を与えた場合の2倍、含まれていた。
味も、サシの入り具合が程よく、9月上旬に大阪市内で行われた
国際食品産業展に出品したところ、ステーキで試食した人から
「赤身なのにやわらかい」「本来の牛肉の味がする」と好評だったという。
さらに、牛1頭で1日約10キロの野草を食べるため、草木が茂ると
イノシシやシカなどが住みつきやすい、耕作放棄地がきれいになるという、副次的な効果もあった。
熟ビーフの名は、放牧することで肉がおいしくなることを、「成熟」と捉え考案。商標登録を目指している。
松本和典主任研究員(41)は「放牧で季節の野草をたっぷり食べ、
栄養分を蓄積することによって共役リノール酸が多く生成された。
おいしく、ヘルシーな牛肉として知名度を上げていきたい」と話していた。(佐藤行彦)
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