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野田佳彦首相が環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を「一日遅れ」で表明した。参加慎重論への配慮からだろうが、
強い決意を示せぬようでは、今後の厳しい交渉や国内対策は乗り切れまい。
首相は十一日夜、記者会見で「アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかねばならない」と、TPP交渉参加を正式表明した。
首相会見は本来、十日に行われる予定だった。翌日、衆参両院の予算委員会で行われるTPPに関する集中審議で、
交渉参加の意義を説明する段取りだったが、直前になって会見を一日延期した。
一日遅れにどんな意味があるのだろう。「熟慮」すれば参加慎重派が納得するとでも思ったのか。それとも本当に、参加をめぐって最後まで揺れ動いていたのか。
首相は十一日、「迷いというよりも判断の最終段階」と胸の内を明かした。ならば十日に正式表明して、集中審議で議論を深めた方が実り多かったのではないのか。
交渉参加が前提とはいえ、首相が方針を明言しない段階で議論してもかみ合うはずがない。正式表明を一日遅らせることで、議論を避けたと思われても仕方がない。
首相は十二日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で「TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と語った。
自国に有利な貿易ルール作りがどこまでできるのか、農業をはじめ影響が避けられない国内産業対策に万全を期せるのか。
日本にとって厳しい展開が予想されるのはむしろこれからだ。
それをやり抜き、国民全体の利益を守るには、首相の指導力や政治力が欠かせないが、首相の対応をみると何とも心もとない。
TPP交渉をめぐり、首相が自らの方針を明言せず、民主党内の議論を見守ってきたのは、独断専行が目についた前二代の民主党首相を反面教師とし、
手続きを慎重に踏んだつもりなのだろう。(>>2-3へ続く)
中日新聞 2011年11月12日
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