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9歳の娘「お父さんにお仕事ありませんか」 関門海峡フェリー廃止
【青空 あなたの物語】関門と人 結んだ35年 11月末休止 海峡フェリー船長の星野さん(52)
北九州市小倉北区の日明(ひあがり)港と山口県下関市の彦島を結び、長距離トラックや通勤・通学客を運んできた「関門海峡フェリー」が11月末で、
35年の歴史に幕を下ろす。3人いる船長の1人、星野昭蔵さん(52)=山口県下関市=は28日、最後の操舵(そうだ)を終えた。35年前に入社して以来、
フェリーとともに歩んできた人生だった。
狭い海峡をタンカーが行き交う。岸には威容を誇る工場群。最後の乗船日も、操舵室の星野さんは厳しい表情で海上を見渡していた。
進路が空くと、車のアクセルに当たるクラッチを押し、対岸へと船を進める。
3日に1度、午前6時40分から12時間、1日17往復を事故なく運航してきた。片道13分の短い船旅でも、決して気は抜かない。
「乗客と車両を安全に運ぶことが、船長の役目です」(中略)
フェリーは今も年17万台が利用。関門トンネルや関門橋を通れない大型トレーラーなどの特殊車両も運ぶ。「いろんな車両や人々に必要とされる航路なのに…」。諦めきれなかった。
9歳の一人娘は同級生から「お父さん、無職になるんだって」とからかわれた。心配した娘は「お父さんにお仕事ありませんか」と、近所を尋ねて回ってくれた。
船を下りる日が迫り、40代の女性が船を訪ねてきた。大学時代、フェリーで山口県から福岡県へ通学していたが、休止のニュースを聞き二十数年ぶりに乗ったという。
「この船は私の青春でした。お疲れさま」と花束をプレゼントしてくれた。「寂しい」「困る」と惜しんでくれる常連客も多い。それがうれしい。
再就職先は決まっていない。できれば海の仕事がいいが、年齢的にわがままは言えない。それでも「人の暮らしを支えるフェリーの船長を務めたことを誇りに生きていきます」と前を向いた。
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