13/03/16 15:20:18.61
佐藤幹夫 イジング模型の補足は下記
URLリンク(researchmap.jp)
武部尚志
2013/02/19
可積分系への代数解析の応用
今日は特別講義。"Survey on Algebraic-analysis in applications to Integrable Systems" と題して「数理解析研究所50周年で書かされた文章を元に三つのトピックスについて 1976 年から 1994 年までのことを…」、
おお!Ising 模型と KP hierarchy と XXZ 模型だ!(^o^)「話すつもりでしたが、三つは多すぎるので二つにします。したがって 1984 年まで。」おっとっと、XXZ は脱落。(^^;; さらに途中で「あ、この調子では二つも無理ですね。」ありゃりゃ、KP も落ちた…。(;_;)
と言う訳で、Ising 模型の定義から、Onsager, Yang, Wu-McCoy-Tracy-Barouch らの結果, 「なぜこんなもの(相関関数が Painleve 方程式の解で書ける)が出てくるのかを説明するのが数学」、
転送行列、Wigner 変換による fermion の導入、Clifford 代数と Clifford 群、disorder/order variables, 波動関数とそれの満たす holonomic 系とモノドロミー保存、解が存在するための両立条件から Painleve 方程式という非線形微分方程式が出てくる、という流れ。
それにしても、この Ising の話は Sato-Miwa-Jimbo の非常に有名な仕事ですが、今の今まで三輪先生からも神保先生からもこれに関する講義を直に聞いたことはありませんでした。
こういう昔の話を後の世代にもう少し語り伝えてくれてもいいんじゃないかなぁ(本はありますけど)
以下、途中で出てきた話:
代数解析とは「関数と方程式を調べること、と言うと数学全体になってしまって粗すぎる定義だが、我々が考えるのは物理の無限自由度系から来ているもので、その対称性が方程式となって現れる。それで関数を調べるのが(我々の)代数解析」。
「嘘か本当か分からないが」と前置きした上で、McCoy 氏達が最初に Ising の相関関数が Painleve 方程式の解で書けるという結果を出した論文はある雑誌に reject された。その理由というのが「物理にこんな複雑な関数が現れるはずがない」というものだった。