現代数学の系譜11 ガロア理論を読むat MATH
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む - 暇つぶし2ch313:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む
12/05/13 18:18:48.20
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シンメトリーの地図帳 マーカス・デュ・ソートイ著 「新大陸」目指した数学者の努力 2010/3/28付 日経

シンメトリーとは、図形などをその形を変えないで動かしたとき、もととぴったり重なる性質のことである。
結晶構造やエッシャー芸術などの馴染(なじ)み深いものだけでなく、代数方程式の解の公式や、誤り訂正能力をもった符号などを作るときにも現れる。
その集まりは、群と呼ばれる数学的構造をなす。本書は、このシンメトリー群の「素数」(これ以上分解できないもの)の世界地図を作ろうとした数学者の努力の歴史を、ドラマチックに紹介したものである。

 この歴史は、新石器時代のサイコロから始まった。そして、ピタゴラスの多面体、代数方程式の解の公式の探索へと続く。
この辺までは時間はゆっくり流れていた。それが20世紀に入って次第に速さを増し、多くの数学者を巻き込んだ激流となって、巨大なシンメトリー群の新大陸の発見レース、そして、これ以上新大陸は存在しないという完結性の証明レースへと展開されていく。
最後に発見された新大陸は、シンメトリーの数が十進で54桁(けた)、それを実現する図形の存在空間が19万次元以上という気の遠くなるモンスターであった。

 この歴史の中に、数学戦士のさまざまな姿もちりばめられている。
3次方程式の解の公式を見つけたと宣言する2人の数学者の公開果たし合い、自分の成果を横取りされないための論文の自費出版、重要な定理を発見したのに時代の大御所に見向きもしてもらえなかった若き天才数学者たち、
新大陸を発見した瞬間の高揚感、ゴール直前の研究をうっかり人に話したために先を越されてしまった者の悔しさなど。

 著者のソートイは、この数学ドラマのクライマックスを演じた一人に師事した数学者であると同時に、数学をわかりやすく解説できることでも有名で、数学ドキュメンタリーの分野でも活躍している。
本書でも、シンメトリー群の分解が、整数の素数への分解とどう違うのかをダイヤル錠を用いてわかりやすく解き明かしている。さらに、著者の日常生活も顔を出し、この数学ドラマが別世界の話ではないという親近感も持たせてくれる。
(明治大学特任教授 杉原厚吉)


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