12/04/13 05:39:53.53
>>229
高瀬氏の下記がなかなか面白い
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2009-09-20-Sun
新しい数学史を求めて(105) 情緒の数学史(45)代数的可解性の基本原理をめぐって
(抜粋)
「情緒の数学史」の前回(44回目)のところで、ラグランジュがガウスに宛てた2通の手紙がラグランジュの全集に収録されていることを報告し、一通目の手紙に書かれていることの一端を紹介しました。
それで、「情緒の数学史」について東京で考えたことを少々書き留めておきたいと思うのですが、
ガウスが示した手法はどれほど高い次数の円周等分方程式にも適用可能ですし、しかもいっそう根源的に、そもそも方程式が代数的に解けるというのはどのようなことなのかという根本原理が明示されているのですから、ラグランジュが驚嘆したのも無理からぬことでした。
ルフィニに欠如していたのはこの根本原理で、そのことがそのままルフィニの「不可能の証明」の欠陥になりました。
アーベルはといえばガウスに学んでこの原理を理解して自分のものにしていましたので、「不可能の証明」に成功するとともに、ルフィニの失敗の原因もすぐにわかったのでした。
「不可能の証明」の正否を分けたのは代数的可解性の根本原理の認識なのであり、これを欠いていたのでは「置換の理論」なども働く余地がありません。
ガウスは別格で、アーベルの証明はガウスの目にはあたりまえのことのように映じたことでしょう。
では「省察」を書いたラグランジュはどうかと言えば、ラグランジュは「省察」のころから一般方程式の代数的可解性に確信があったようで、しかもその確信はガウスが円周等分方程式を代数的に解く様子を見てますます強固になったのではないかと思います。
ラグランジュの二通の手紙を読むと、そんなラグランジュの心情がありありと伝わってきます。