12/03/14 22:28:30.63
>>509
アルティン「ガロア理論入門」をあらためて眺めていたんだが
これ、群論の知識を前提として、群論部分はほとんど記述がないね・・
アルティン氏による”まえがき”に
「その初版のドイツ語訳の提案を受けたときに、私はついでに現代代数学の理論への入門をつけ加えるのが良いのではないかとも考えた。」
しかし、熟慮ののち、私は当初の方針を堅持し、前と同様の読者層を対象とすることを決意した。
今日世の中に現代代数学の基礎理論を与える教科書は十分なほどに用意されているからである。」と書かれている
前と同様の読者層=ノートルダム大学の夏期学校で行った講義
だと
URLリンク(ja.wikipedia.org)
ノートルダム大学(University of Notre Dame)は、アメリカ合衆国、インディアナ州サウスベンド近郊にあるカトリック教会創設の名門私立大学。
1842年エドワード・ソリンによって創設された。現地では英語式に、「ノーターデイム」と発音する。エモリー大学などとともにヒドゥン・アイビー(Hidden Ivies)に数えられる。
(引用おわり)
ご存知米国は9月入学。とすれば、夏期学校の対象は、最低1年の大学教育は終えた者
おそらくは、数学科だろう
なお、「ガロア理論入門」のドイツ語の題は入門はついていないのだった
とすれば、群論は履修済みとして、そこは飛ばして夏期学校の短い時間で担当直入に「ガロア理論」を展開した本だと
”入門”というより、”概括”とでも言った方がいいかも知れない
骨太にガロア理論のエッセンスを、数学科で最低1年の大学教育は終えた者に教えるのだと
索引に群論関係の用語がほとんどないこともうなづける
索引はおそらく原書のままで、ページだけを調整したのだろう
P37の節の見出しになっている「群指標」さえ索引にはない。巡回群もない。本文には、群の定義は与えられていない=知っているのが前提だと
アルティンは、そういう本なのだと思って読むことだね(=”まえがき”にある「現代代数学の基礎理論を与える教科書」を併読すべきだと)