12/02/11 11:34:54.44
>>192 補足
>「pが素数ならばガロアのすべての言明は完全に正しい。そして後に見るように、代数的可解性の条件についてのガロア理論はpが素数の場合だけでまったく十分なのである」(「ガロアを読む」P144)
推定だが、ガロアは最初素数p次のべき根の添加を考えていたと思う
そして、その考察をどこまで拡大したか不明だが、倉田P144「おそらく決闘の前夜、読み返してみて、pが素数でない場合にも成り立つと考えて「素数p次」ということばを消した・・・のであろう」とある
二つの方向がある
素数p次から素数でない場合へ
べき根から一般の補助方程式へ
だが、素数p次のべき根の添加の場合は、話が簡単になる
素数p次のべき根に持つ方程式は、素数p次の二項方程式(例えばx^p=a ここにaは有理数体の定数)
このとき、素数p次の二項方程式のガロア群は位数pの巡回群(一般的な巡回群の記法でCp 下記参照)となる
URLリンク(ja.wikipedia.org) 巡回群
だから、>>191 ガロア方程式が
f(V,r)xf(V,r')xf(V,r'')x・・・
とp個の因子に分解する場合
倉田令二朗「ガロアを読む」>>4P138の記法で、もとのガロア方程式の群Gとf(V,r)の部分群Hとの関係は、部分群Hは正規部分群になり商群G/Hが、巡回群 Cpになると
これが、ガロアの見ていた原風景
(但し、”部分群Hは正規部分群になり商群G/Hが、巡回群 Cpになる”ということを、もう少し一般化して、ガロア独自の(現代風でない)言葉で、第II節から第III節で述べられている。
なお、第III節 が正規部分群に関する定理で、第II節 はその前段に当たる)
そして、繰り返しになるが、素数p次べき根拡大(最初)→一般の方程式の場合の拡大(決闘前夜?)となったのだろう
だから、第II節から第III節の著述が、不十分だという後世の数学者の言い分になり、また原論文を読む者の理解を難しくしている