11/08/02 19:55:53.90
ある日⑨の元に仕立屋が現れて、跪き無手を掲げて「これは馬鹿には見えない布です」と⑨に見せた。
それを聞いた⑨は見えない自分は馬鹿だと思われたくないために「おお、素晴らしい布だ!」となにも持っていない手に対して感想を述べる。
他の従者達も(見えないのは自分だけではないか?)と思い、馬鹿だと思われたくないために次々と感想を述べた。
仕立屋は織り機を借りて服を仕立て上げたふりをして、なにもないのに「服が出来た」と⑨に見せる。
周りが美しいと言うので王様も(自分には見えないが、きっと美しい服なのだろう)とそれを大金で買い取った。
⑨は触れた感触もないその服を着て、城下町を歩いた。
『馬鹿には見えない服』の存在は町の人々も聞いており、見えもしないのに馬鹿だと思われたくないために、裸の⑨を次々と賛美した。⑨は気を良くして胸を張って歩いた。
しかし、そんな事を知らない子供たちが⑨を見て笑う。
「⑨が裸で歩いているぞ」「裸の⑨だ!」
その言葉を聞いた町の人々も徐々に⑨が裸であると言い始め、すぐに全員が「裸の⑨」と笑い始めた。
しかし、それを聞いた⑨は開き直ってこう言った
「ちがうよ、僕はただ街中で下半身を露出していると気持ち良いことに気づいただけだよ! お風呂とかトイレではみんな下半身を出すでしょ? だったら街中でも出すべきだよ!!」