13/09/09 02:18:36.39 JsJESQmB0
甲状腺癌の病理組織形態をまとめときます
○分化癌(甲状腺癌の9割がこれ。そのうち、乳頭がんが8割、濾胞癌2割を占める)
○髄様癌(稀。ほとんど遺伝で生まれる)
○未分化癌(稀。きわめて悪質、大部分が死ぬ)
面倒なのは、それぞれの病理形態にサブのタイプがあること。
このスレでは乳頭がんが重要なので、乳頭がんのサブ・タイプをあげておく
乳頭がんのサブタイプ
①充実性タイプ(soid type)
②濾胞癌変種(follicular variant)
③典型乳頭がん(typical type)
④びらん性硬化癌(diffuse sclrelosing)
通常の乳頭がんでは、典型タイプが7~8割を占めます(再配列はRET/PTC1やBRAF)。次に多いのが濾胞癌変種で2割ほどです。
典型タイプは比較的おとなしい癌をつくります(それでも50代、60代の男性は10年以内に3割ほど死にます。女性の死亡率は5~10%くらい)
子どもの甲状腺癌では、低年齢であるほど①の充実性タイプが多くなり、攻撃的な癌が多くなります(再配列はRET/PTC3)。
被曝から短期間で生まれる乳頭がんでは、さらにこのタイプの占める割合が大きくなる。RET/PTC3再配列も通常より多く見られる。
充実性タイプの小児甲状腺癌は、転移率が高く、再発率も高い(とくに10才以下は非常に高い)。
しかし、不思議なことに、死亡率は低い。なぜこの逆説が生まれるのかは、未だ解明されていない。