13/03/22 19:56:42.97 jqPyK5+A0
米国が、米国民に80km退避勧告を出すにあたっては、NRC(Nuclear Regulatory Commission=原子力規制委員会)の50マイル案と、
NR(Naval Reactors=海軍原子炉機関)の200マイル案との対立がありました。空母ジョージ・ワシントンの核汚染の可能性、
今後の日米同盟、米国市民の保護原則などを総合的に勘案し、最終的には、
ホワイトハウスのデニス・マクドナー大統領補佐官(国家安全保障担当)、ジョン・ホルドレン大統領科学技術担当補佐官、
この2人のイニシアチブにより、NRCの50マイル案が採用されました。
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船橋洋一(2012)『カウントダウン メルトダウン 下』,文芸春秋社,pp.62-63.
米政府は、16、17日(米東部時間)の丸2日間を費やして、退避勧告問題を議論した。
(中略)
ホワイトハウスはその後、深夜になって、副長官級会合を開いた。
議題は、「50マイル」圏外への避難勧告に関する方針である。
危機の間、24時間体制でこの問題に取り組んだのは副長官級を中心とするデピュイティーズだった。
デニス・マクドナー大統領補佐官(国家安全保障担当)、ジョン・ホルドレン大統領科学技術担当補佐官、
ジェフリー・ベーダー・ホワイトハウスNSC(国家安全保障会議)アジア上級部長
(中略)
ロバートウィラード太平洋軍司令官、それにジョン・ルース駐日大使である。
(中略)
ウィラードは、「ヨコスカで検出される放射線量が2倍になれば、横須賀海軍基地からの全員撤退も考えなければ
ならないと主張した。
マクドナーは反論した。
「それはできない。海軍から先に全員撤退となると、軍人でない市民を置いてけぼりにすることになる。」
(中略)
マクドナーは、居並ぶ副長官たちに「大統領の関心」を伝える形で、こんな風に問いかけた。
「もし、福島第一原発事故が米国で起こったとしたら、退避計画はどのようにつくるか、それを考えてほしい。
それがもし、フィラデルフィアで起こったとしたら、どのような避難計画をつくるだろうか、ワシントンならどうか」
ヤツコが答えた。
「50マイルです」
これが決め手となった。
海軍の主張した200キロ(※)案は退けられた。
※原文のママ。他の箇所では海軍案は全て200マイルと書かれているので、誤植と思われる。
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