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がれき受け入れ準備着々 苫小牧市、道内先駆け 「時間かけず」来月可否判断
「性急」市民戸惑い
【苫小牧】東日本大震災で発生したがれきの広域処理へ向け、苫小牧市が道内の先陣を切って受け入れの思考準備を加速させている。
放射性物質汚染の懸念が少ない岩手県宮古市の木質系がれきを再生利用し、復興資材として被災地に戻す方法を軸に据える。
ただ、市民の間では「性急ではないか」と戸惑いも多く、理解を求めるための丁寧な説明と、復興支援のためのスピード感の間で、岩倉博文市長の手腕が問われている。
「がれきが復興の妨げになっている。できるだけ協力したい」。
岩倉市長は3日、宮古市を訪れ、広域処理に向けた協議に入る意向を山本正徳市長に伝えた。 宮古市で発生したがれきは推計71万㌧。
岩手県は宮古市などに仮設焼却炉を新設し「できる限り県内処理したい」(千葉茂樹副知事)との姿勢だが、←★★★★★
3月26日までに焼却や埋め立てしたのはわずか2万5700㌧だ。
苫小牧市は昨年6月、道内でもいち早く協力の意向を表明した。
縁のなかった宮古市を対象としたのは、昨年11月に苫小牧市議15人が宮古市を視察し、非公式に協力要請を受けたのがきっかけ。
東京都が宮古市の可燃物を受け入れたことや、被災地の中でも福島第1原発から遠く「市民の不安を少しでも抑えられるのでは」(市幹部)との計算もあった。
苫小牧市は今回、宮古市の木質系がれきを利用して、苫小牧の民間事業者に木材の小片を圧縮した木質ボードを作ってもらい、復興資材として宮古市に戻す考え。
こうした技術を持つ企業が地元にあることも、苫小牧市の判断を後押しした。
可燃物を受け入れて苫小牧市の施設で焼却処理を担う場合、焼却灰に放射性物質が濃縮される懸念も大きいが、
民間事業者の再生利用が実現すれば、焼却灰の最終処分に気を回す必要もなくなる。
だが、少量でも放射性物質が運ばれることへの不安は根強い。
苫小牧市には昨年6月以降、市内外から千件を超える電話やメールが届き、そのほとんどが反対意見だった。
このまま進むと道内の受け入れ第1号となる可能性があり、市民団体が3月末に開いた市民集会でも、出席者70人の大半が慎重姿勢を示した。
「苫小牧の自然を守る会」の舘崎やよい代表(70)は
「東北の子供のために、安全な食料を生産できる北海道を守る方が本当の意味で復興に寄与する。もっと慎重に判断して」と訴える。
このため岩倉市長は、国が再生利用製品の放射性セシウム濃度を「1㌔当たり100ベクレル以下」とした安全基準について、
有識者の意見を聴いて独自に見直し、町内会や市議会、反対する市民団体などに「粘り強く説明したい」としている。
一方で市は、「時間をかけずに検討したい」(幹部)との立場でもあり、5月上旬の連休明けにも受け入れ試行の可否を判断する考えだ。
市議会の大勢が理解を示しているが、市民への説明が十分ではないまま、首長判断で受け入れに踏み切った場合、
批判が殺到する可能性もあり、難しい決断を迫られそうだ。