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◎被災者/時間・料金負担に
「財布への負担を考え、今後は一般道を利用する」
石巻市の自宅が被災し、仙台市宮城野区の借り上げ仮設住宅で暮らす大学職員鈴木宏享さん(26)は残念がる。
石巻市の職場まで三陸自動車道を使って通勤していたが、有料となれば往復1700円掛かるためだ。
一般道利用に比べて短縮されていた通勤時間も、片道1時間半前後に延びる。
「自分のような人で一般道路は一層混むだろう」とラッシュ時への不安を募らせる。
東松島市の仮設住宅から週に数回、子どもの習い事の送迎などで仙台市に出掛ける漁業鈴木光博さん(44)は「三陸道が有料に戻れば1カ月当たり1万円以上の負担増」と言う。
ノリ養殖の仕事は秋まで再開できない。「収入が不安定な中で出費がかさむのは厳しい」と嘆く。
利便性が失われることへの不満も広がる。宮城県山元町の仮設住宅で暮らす主婦上原和子さん(63)は、同県亘理町の病院への通院などで日常的に常磐道を使用してきた。
「病院まで常磐道なら10分で行けるが、一般道なら30分かかる」とため息をつく。
一方、災害ボランティアを対象とした無料化措置は、6月末まで続く。受け入れ先の自治体ともども、恩恵が大きく、関係者は胸をなで下ろしている。
岩手県沿岸部の復興支援に当たる遠野市のNPO法人「遠野まごころネット」の柳沢亮さん(38)は「今も全国からボランティアが駆け付けており、助かる」と感謝する。
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