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「もう一度災害がれきの話を」
高名な日本文学研究者、ドナルド・キーンさんが最近、日本国籍を取得した。
何でも世界一を自任する誇り高い米国人がここまで日本に入れ込むのはよほどのことだ。
▼大震災の被災地を何回も訪問しているキーンさんは、日本国民として第一声をあげた。
「日本人は力を合わせて東北の人を助けると思ったのに、がっかりです」。これは耳が痛い。
▼先週の本欄で、処理がほとんど進まない震災地のがれき問題を取り上げた。
全都道府県が協力して処理するしかないと思うが、和歌山県議会では仁坂知事が「なぜ東北でできないのか」と答弁した。
▼これに対し、８人の読者から反響を頂いた。知事を支持するのは１人。
後は「放射能汚染がないのなら、何ができるかを真剣に考えるべきだ」といっている。
私も「可能なことだけでよい。まず連帯の表明を」と思う。政府も法律で自治体に協力を求めることにしたから、潮目は変わるだろう。
▼それにしても沖縄県の仲井真知事がいち早く、がれきの受け入れ検討を首相に表明したのには驚いた。
あれだけ頑固に反基地を唱えながら、日本全体が連帯すべきことには勇気を持って賛同する。政治家たるものの柔軟さと大局観の必要さを見事に示した。
▼昨年の台風災害では、私たちも他府県のお世話になった。将来は南海地震も予想される。
そんな中での「自分さえよければ」という知事の態度。キーンさんではないが、がっかりする。 （倫）
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