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保守派こそ反原発を(中島 岳志)
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論壇を見ていると、やはり保守派の側に原発推進論が多い。しかし、私は根本的なところで
疑問を感じる。保守思想の本質を吟味すると、保守派こそが原発に対して懐疑的にならざる
を得ないと思うからだ。
保守思想の根源にあるのは、懐疑主義的な人間観である。人間はいつの時代も過ちを犯し
続ける。人間は常に不完全であり、パーフェクトな存在として現れたことなどない。人間の理
性には決定的な限界があり、完成された知性を保有したことなど一度もない。
保守思想に拠れば、人間の能力に決定的な限界がある以上、人間が作り出す技術にも決
定的な限界がある。「絶対に安全な技術」など人間が絶対性を獲得しない限り存在し得ない。
つまり「絶対に安全な技術」を手に入れることなど永遠に不可能である。
保守派の世界観では、「絶対に安全な原発」など成立しようがない。どんなに技術革新が起
ころうと、完璧な原発など生まれようがない。人間は絶対的な能力を手にすることなどでき
ないからだ。原発は人間が作ったものである以上、永遠に事故の可能性を内包している。
反「反原発」ほどみっともない姿はない。それは単なるパラサイトだからだ。保守の不在は、
原発論争をめぐっても続いている。