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(発見 STAP細胞)再現性の判断、時期尚早 外部評価委のスミス委員長に聞く
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理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーらが報告した新しい万能細胞
「STAP(スタップ)細胞」の発見。その衝撃が冷めぬうちに、論文への疑義の指摘が相次いだ。CDBの活動全般にアドバイスを
する外部評価委員会委員長のオースティン・スミス英ケンブリッジ大幹細胞研究所長に、発見の意義と論文の問題点を聞いた。
■胎盤作り、研究に応用
―STAP細胞を初めて知った時の印象は?
英科学誌ネイチャーから論文の解説の執筆を依頼され、初めて論文を読んだ。これまでの生物学の常識を覆す内容で、非常に驚いたが、
CDBで行われた研究なので、真実だろうと思った。
―STAP細胞のどんな点に興味があるか?
刺激を与えると、もともと細胞内にある遺伝子だけで自発的に初期化が起こり、多能性を獲得する。これは、細胞の潜在能力を示している
のではないか。STAP細胞を研究すれば、生物学の根本的な原理を学べるのではないか。STAP細胞はそんな可能性を秘めており、興味深い。
■受精卵の移植にも
―STAP細胞はiPS細胞やES細胞とは異なる応用が可能か?
STAP細胞はiPS細胞やES細胞ではほとんど作れない胎盤にもなる。ヒトの細胞でSTAP細胞ができたら、体外受精などで作った受精卵
をどういう条件で子宮に移植すればいいかの研究や、胎盤にできるがんの研究、胎盤の形成のしくみなどの研究に応用できるかもしれない。
私は長年、筋肉や脳神経など多種類の細胞に変化する能力を持ち、がん化せず、体内に移植できる細胞を作れないかと空想してきた。
STAP細胞なら使えるかもしれない。外から遺伝子を入れないのに、既存の万能細胞より幅広い多能性を持つからだ。
(続)