12/10/02 02:15:07.41
>>376
レスありがとう。
370ではあの論文で代表させたつもりだったが、ちょっと言葉足らずだったかなと気になっていた。追加議論を書き込むきっかけを作ってくれたことに感謝する。
Epithelial-mesenchymal transition(EMT)という、たとえば原腸嵌入とかの正常発生で必須過程としておこる現象が、上皮細胞から発生することが多いヒトのがんが、悪性度が増して浸潤性を獲得するときによく似たことがおこることがわかっている。
そのときaffinityの高いE-cadherinからより低いN-cadherinへの発現の交替がおこる。これはいくつもあるEMTの過程でおこる遺伝子発現の変化のひとつではあるのだが、
370のNatureの論文は、このE-cadherinの発現喪失が単なるおまけの現象ではなく、悪性腫瘍誕生にとって重要な過程であることを示した画期的なもの。今やがんを考える上で必須。
あげあしをとるのは本意ではないが、BRCA1とかBCR-ABLのような特定のがんにのみ関与するものとは、格が違うと思うよ。
(あ、BCR-ABLは、転座遺伝子の発がんに対する重要性という点では元祖なので別の意味では格があるのは認める)
竹市さんはもちろん直接こういう仕事に関与しているわけではないが、元祖にあたえられるのがNobel賞。
たとえばGFPの下村さんだって、「GFPよりaequarinのほうが役に立つと思っていた」と言ってたように、あとで重要とわかればOK。逆にいうとその意味で極めてNobel賞的。