13/09/19 22:46:42.23 Ekq0wnC1
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P.12~13
2.2.2 JARPAはRMPによる鯨類管理に不必要か?
Triggs(2000)をはじめJARPAへの批判が拠って立つIWC/SCレポートの問題の箇所全体を見て
みると、そうした批判がその報告書に正しく基いていない、恣意的な主張であることが明白に
なる。このレポートは日本が設定した所期の調査目的ごとに、JARPAの成果がその目的に即して
いるかどうか、また今後これに即した成果をJARPAが生み出すかどうかを検証した上で、クロミ
ンククジラ管理に対するJARPAの貢献に関して、IWC/SCが5点について合意したとしている。問
題の引用箇所はその第5点目で、その全体は以下の通りである。
「最後に、JARPA計画の成果は、RMPの下での管理に必要ではないが(while not required
for management for under the RMP)、以下のようにクロミンククジラの管理を改善する潜在
力がある。(1)RMP適用試験の際に考慮されている妥当と思われている現行のシナリオの数を
減らす。(2)今後RMP適用試験の策定に必要な新しいシナリオを特定する(例えば、系群構造
の時間的要素)。【JARPAのデータの分析結果をこのように用いることで、クロミンククジラに
ついて現行のRMP適用試験が示す水準以上に絶滅のリスクを増やすことなく、これらクロミンク
クジラの捕獲可能数を増やすことができるであろう。」】[下線は筆者](※ 下線部は【 】で
囲った部分)
このようにIWC/SCは、JARPAの成果がクロミンククジラについてRMPの適用条件を改善し、そ
の持続的利用の促進に役立つことを明確に指摘している。
RMPとは資源への様々なリスクを考慮し、あらかじめ設定した小海区(1つの系群の分布に対
応する)ごとに控えめな捕獲限度を算出する管理手法で、その中核である捕獲枠算出アルゴリ
ズムはわずか2種類の情報を入れることで捕獲限度を計算することができる。一つは現時点で
の資源量推定であり、もう一つは過去の捕獲記録である。その意味では、妊娠率や自然死亡率
といったJARPAで得られる生物学的特性が、RMPを用いて捕獲限度を算出する上で直接的に必要
とはされないというのは事実である。
(続く)