09/08/16 23:36:23 51LF9omX
ヅラハゲの俺は前にバレンタイン合コンに誘われた。
イケメングループから男が足りないから頼む！いい感じになったら個人行動ok！と言われ、仕方なしに引き受けた。
けれど、だんだんわくわくしてきて、念入りにヅラにブラッシングしたり、セクシーな香りのコロンを買いに行ったりした。
親に「俺今日みんなと合コンだから飯いらない」というと、親は「あらまぁ、カツラにして良かったわね」と嬉しそうだった。
予定の場所に行くと誰もいない。イケメンに電話すると「もうみんな店で待ってるから早く来い」という。
遅れて登場も悪くない、と思いながらドアを開けると地獄が待っていた。
「うっそ～！！ヤダー！ほんとヅラじゃん！！」
「な？な？俺が言ったとおりだろ？」
「うわ～バレバレ～、みっともな～い、カツラーｗｗｗ」
俺は何が起こったのかわからなかったが、どうやら最初からネタにするつもりで呼んだようだった。
そのうちイケメンの一人が俺にヘッドロックをかけ、「このヅラハゲ頭を見よ！はい大公開！！」
とヅラを掴み取ろうとしたので、俺は必死に手でそれを振り払った。
すると今度は「何本気できれてんだよ」「 ヅラハゲって最低」「空気嫁よ」
俺はもう抗議する気力も切れる気力もなくその場を去った。もちろん誰も引き止めなかった。
家に向かって歩いていると氷雨が降ってきて、濡れたヅラで俺の頭は芯まで冷えた。
もう情けなくて情けなくて声もあげず泣いてた。
家に入るとローンの残る濡れたヅラを母親に向かって投げつけ怒鳴った
「お前のせいで禿げたんだぞ！！」 母親も泣いた。俺も泣いた。
テレビから、「愛が深まる一日になりましたか？」と女性キャスターの明るい声が流れていた。