13/04/17 22:34:00.42 eCO0Ox8R
>>296
ゴメン。知っててワザといってみたの。ギャグのつもりで……。
でも、kwskはマジ知らなかった。アリガト。
これからもイロイロ教えてネ。
299:ロクチャン
13/04/17 23:20:43.49 eCO0Ox8R
⑦
「なんて、不衛生な店だ……。ソレにしても、まだ一時を回ったばかり
だというのに、さっきから客はオレ一人じゃないか。」男は店内を見回し
ながら「どうやら、噂はまんざらデタラメではなかったようだな。」
そう、この店には以前より一つの伝説が語り継がれていた。
「この店の地獄カレーに挑んだものは五体無事で店を出ることかなわず、
長生きしたくば地獄屋には近づくな。」…と。
そんな伝説が、噂が、彼をこの地へと引き寄せたのだった。
「一体、この店はどういう具合に経営が成り立っているんだ?]
もっともな疑問だった。
男は息を整えると、意を決して二クチ、三クチとカレーをスプーンで口に
運び続ける。
「クククッ…、ヒーハー」傍らの水の入ったボトルを手に取るとコップに
移さずダイレクトに口につける。
ゴクゴクッと勢いよく胃に流し込む。後はこれの繰り返しだった。
モグモグ、ムシャムシャ、ヒーハー、…ゴクゴクッ…。
モグモグ、ムシャムシャ、ヒーハー、…ゴクゴクッ…。
モグモグ、ムシャムシャ、ヒーハー、…ゴクゴクッ…。
延々と続く。
300:ロクチャン
13/04/17 23:30:42.36 eCO0Ox8R
>>297
の下から3行目
風邪を斬る……×
風を斬る………○
301:ロクチャン
13/04/17 23:58:54.63 eCO0Ox8R
⑧
かれこれ40分ほど経ったであろうか。
ガチャリ、スプーンを皿の上に置く音がする。おおっ、皿には僅かばかりの
黒っぽいルーがこびりついているだけ。完食したのだ。何とか…。
「ハアハアハア、」男の呼吸が荒い。肩が大きく上下している。
見よ、男の顔を。戦い終えた戦士の顔を…。
額といわず顔全体から大汗が滝のように滴り落ちている。顔色は真っ赤に
紅潮し、この戦いが如何に過酷で苦戦を強いられたかを物語っていた。
更にようく見ると上下の唇がまるで真っ赤なタラコのように腫れ上がって
……クククッ、そのファイアーカットにタラコ唇って………ぷぷぷっ……
ああっ、と……失礼…。
と、とにかく凄惨な戦いだったということだ。……ぷぷっ。
302:ロクチャン
13/04/18 00:45:45.52 m3FwHdYG
⑨
やがて奥から老マスターがやってきて「おお、食べんしゃったか。さすが
ワシの眼鏡に適ったダケのことはある。いや、大したもんじゃ。」
男はテーブルに手をつきながら立ち上がろうとする。が、一瞬バランスを
崩しよろめく。足元がおぼつかない。まだ、効いているのだ。
「ま、まあまあだった。少しは楽しませてもらった。…ヒーハー……だが、
オレを満足させるにはまだまだだな。」
男はまだ少しよろめきながら出口の方へ向かおうとする。
と、老マスターが「お客さん、ちょうど良かった。実は密かに開発していた
新商品があってな。」「なにっ。」老マスターは続けた。
「昨日まではまだ、試作品じゃったんだがな。今朝ようやく完成したんじゃ。」
と、マスターの顔がチョッと曇る。「ただ、完成はしたものの、その辛さたるや
言葉で言い表せないしろもんが出来てしもうたんじゃ。
尋常じゃない計り知れぬその爆辛に開発者であるワシ自身が戦慄した。これは
もう人間の食するレベルではない。もはや神の領域じゃ。」
マスターはイスに腰をおろすと話を続けた。
「ああ、ワシは何という恐ろしいものを作ってしまったんじゃ。コレを世に
出しちゃあならねえ。ワシはソレを封印することにした…。
そこにアンタが来たというわけジャ。」
303:ロクチャン
13/04/18 01:34:28.54 m3FwHdYG
⑩
いつの世のマッドサイエンサーもそうであった。凶悪な殺人モンスターを
作り上げた博士しかり、脅威の破壊兵器を開発した科学者もしかり、いつも
完成させた時点でこう言う。「私は何という恐ろしいモノを作ってしまったのか。
と。その後悔の念を心中のまま自分の生み出した怪物に絞め殺されたりする。
昨日の晩には全くその思いに至らなかったというのか。もっと早く気づけよ。
科学者ではないがこの老マスターも同じようなものなのだろう。
開発者や研究者というのはモノが完成するまでは得てして視野が狭くなるもの
なのかも知れない。
(このじじい、どこまで出し惜しみすれば気がすむんだ。)そう思いながら
男はすごい形相でマスターを睨みつけた。タラコ唇で……。ぷぷっ。
「どうじゃね、お若いの。せっかく来たんじゃ、見るだけでも見ていかんかね。」
そういう老マスターの顔は……目も口もまるで三日月のように湾曲しニターッと
笑っていた。(チッ、薄気味悪いじじいだぜ)
もう既に満身創痍の男ではあったがその新商品のカレーに対する好奇心の誘惑
には勝てなかった。
「お、面白い。見てやろう。持って来い今スグに!」
304:ロクチャン
13/04/18 02:23:32.82 m3FwHdYG
⑪
やがて、目の前のテーブルの上にソレは運ばれてきた。
男の目はソレに釘付けになった。
「コ、コレはカレーなのかっ?」ソレは異様なものだった。
いや、形状とかそんなことではなく、異様なのはその色なのだ。
黒……。黒いのだ。とてつもなく。単に黒という一文字や言葉では表現不可能
な……。まるで底なしの暗黒穴に吸い込まれるかのような不安感をい抱かせる
ような漆黒の色なのだ。周りの光さえも吸収していまいそうな、まるで
ブラックホール。
そう、まさに食卓のブラックホールやー。彦丸がこの場にいたら、あるいは
そう叫んだかもしれない。
何を原料にどう作ればこんな黒色になるのか?
男は目の前の途轍もない存在感に圧倒され自失呆然となっていた。と、そこへ
ブ~~ン、先ほどのハエが飛んできて、その暗黒カレーの真上1mくらいの
ポイントにさしかかった時、ハエに異変が起きる。突然クルクルッと旋回
したかと思うとそのままヒラヒラとブラックホールに吸い込まれるように
漆黒のカレーに落下していった。
「ククッ、こ、これは一体……。」
男は素早く例のグラスを装着しスイッチオンにする。
途端に、けたたましい電子音が鳴り響く。明らかに先ほどとは異なる泣き叫ぶ
ような鳴り方だった。ビビビビビビッ…店内に響き渡る。
305:ロクチャン
13/04/18 03:00:39.20 m3FwHdYG
⑫
カウントはいきなり200を超えてスタートした。
男の顔には先ほどのカレーとの戦いのときよりも大量の汗が噴き出ていた。
その表情はもはや恐怖に怯えひきつった顔。
「300,450、…600……850………な、なにい、まだ上がると
いうのかっ。」デジタル数字のカウントスピードにいささかの衰えもない。
やがて…1000を超える。
「1200、…1500、ぬ、ぬあにい、バ、バカな2000を超えると
いうのかあ。」
カウント数字はそれでも容赦なく無情に上がり続ける。
男は狂ったように叫びだす。「バカなっ!ヤメローッ!故障だ、壊れて
いるにちがいないっ。」
2500,2800………、そうしてついには3000.
パシーッ!渇いた音が店内に響いた。計測装置の限界値をオーバーし、
グラスが破壊し弾け飛んだのだった。
男はそのまま床に手を突き、尻もちをついまま立てなかった。
依然、顔は恐怖に引きつったままポカーンと口を開けて声も出ないさま。
店内はしばし静けさに包まれる。
カランコロンカラーン。その静けさを破って一人の客が訪れた。
306:ロクチャン
13/04/18 03:04:43.95 m3FwHdYG
ううう、バ、バテたーっ。
(ここでいつものフレーズ)
………オッ、もうこんな時間か
………………オヤスミナサーイ。
307:ロクチャン
13/04/18 20:28:02.43 m3FwHdYG
ワインを樽に詰めて熟成させる。畑を耕し種を撒き肥料を与える、
家畜にたっぷりとエサを与え丸々と肥え太らせる。
…………………じっくりと時間をかける。
…………………やがて、…………始まる。
…………………………収穫のとき。
日本…………昭和から平成へと移る。
……………このときから、ゆっくりと始まった
………収穫。
あまりにも、ゆっくりであるがため
………………人々が気づくことも無い。
308:ロクチャン
13/04/18 20:44:25.09 m3FwHdYG
あっ、上のやつネ。………
実は、次にこのスレで発表したいとオモテル作品の構想が3っつほどある
んだけど。
そのうちの一つを映画の予告フレーズみたいに表現してみたんだけど……。
如何にも、衝撃の問題作っぽくネ?
でも、やっぱチョッと………ナーンか重っ苦しいかな。
309:俺の名を言ってみろ!
13/04/18 20:47:10.08 fPCQiuK/
そんなこと無い いい感じw
310:ロクチャン
13/04/18 20:54:14.56 m3FwHdYG
あと、例の「タナ&武者」コンビ(漫才コンビかw)の不思議現象の謎解き
第2弾!
そして、もう一つが…………?
コレはまだ…………ヒ・ミ・ツ。
311:ロクチャン
13/04/18 20:56:46.43 m3FwHdYG
いずれにしても
312:ロクチャン
13/04/18 21:16:01.55 m3FwHdYG
あっ、まだカキコ終わってないのに送信シテモタ。
どうもバイオのタッチパッドは使い辛い。 ええと、やり直し。
いずれにしても、誰に文句言われること無く好きなことを書ける
この環境。自分のスレを持ってるってイイなあと、
………改めてしみじみ思う今日この頃。
これも前スレの親切なひとたちのオカゲれす。 感謝。
あ、「俺の……」さんコンバンワ。
考えてみるとオデの作品読んでくれてるのは「俺の…」さん
含めて、んんー多くて12~3人てとこかなあ。
ウン、ちょーどイイ。
313:俺の名を言ってみろ!
13/04/18 21:57:14.95 fPCQiuK/
ロクチャンさぁ 2ちゃんのオカルト板で夏になると百物語の受付あるの知ってる?
一度怪談話も挑戦してみてほすぃ~ 去年の受付はこんな感じ貼っとくね 見れるかな?
【百物語】語り部受付スレ【8月18日怪宴】
スレリンク(occult板)
【8月18日】百物語本スレ【怪宴】
スレリンク(occult板)
314:ロクチャン
13/04/18 22:11:41.62 m3FwHdYG
齢三十六にして、2m44の巨漢が10年ぶりに立ち上がった。
10代のうちに全ての格闘技を席巻し、既に人類に敵は無く。
成人してのちは猛獣界に好敵手を求め流離う。
虎を絞め、ライオンを屠り、グリズリーさえも倒して退けた。
最後の相手、7トンものアフリカ象との一戦は各種団体や国家の圧力に
阻まれて実現に至らず。
一応の戦いの歴史に区切りをつけざるを得なかった10年間。
強大な休火山………その奥深く煮えたぎるマグマは消え冷めることは
無かった。
そして今、この男は新たなる標的を捉えた。
最強のそして禁断の獲物を。
男の名は、田辺清美。
そして、触れてはならない禁断のターゲットの名は……
シゼンノ セ・ツ・リ
315:ロクチャン
13/04/18 22:26:45.24 m3FwHdYG
あ、これは2つ目の作品の構想。先の作品ではあまり触れられることは
無かったんだけど、この田辺ってホントは凄いヤツだったんだお。
>>313
情報アリガト。3っめは予定変更して怪談にしょっかなあ。
316:ロクチャン
13/04/18 22:43:33.39 m3FwHdYG
あっ、もう怪談の短編一つできちゃった。
これ短い作品だから近日発表しまーす。(チョッと楽屋落ちかもしんないw)
317:Classical名無しさん
13/04/19 01:10:12.51 N98fhKI9
やはり、2chの書き込みも全スレ、全レス監視されている。
蜘蛛の巣を一定期間張り巡らすと、やはり引っ掛かる。
実に慎重で巧妙だ。
プロバイダーに気をつけろ。 n2nnmkro-3624tF
318:俺の名を言ってみろ!
13/04/19 20:49:09.99 AjnVNdYj
( ゚д゚ ) ナヌ 田辺 再びか!!
.r ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
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