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C.肯定説(平川・西田・山中・山口・佐久間・井田,なお大谷,東京高判平19・9・26)
これに対して,夫婦間であっても,原則として強姦罪を肯定するという見解が有力になっています。
妻であっても,女子の意思に反して性交が強制される以上は,本罪の成立を認めるべきであるという考え方といえます(井田参照)。
たとえば,山口教授は,婚姻関係にあることは,個別の性行為についての妻の同意義務を当然に基礎づけるものではないとして,婚姻関係が破綻している場合でなくても,本罪が成立しうるとされています。
なお,大谷教授は,強姦罪の客体は「女子」とされているにすぎず,とくに限定が加えられていないから,妻に対して強姦に及べば本罪の構成要件に該当するとします。
それゆえ,問題は客体が妻であることが違法性阻却事由となるかどうかであり,これは夫婦間の性交渉として社会的相当性の範囲内にあるかどうかに帰着するとされます。