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文藝春秋 2006年10月号 平成皇室の危機は去ったのか
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櫻井 渡辺允侍従長も外務省出身だし、まるで宮内庁が外務省分室のようになっ
てしまっています。外務官僚の中にも素晴らしい人はいますが、総じて外務省が
これまでやってきた外交政策で国益を考えてやったことなどほとんどないのでは
ないかと思います。自分たちの眼前の問題を解決するのに汲々として、戦う精神
や、高貴なる精神は見えてこないのです。そういう人たちが群れをなして、天皇
や東宮の周りにいる。皇室が悪しき官僚主義に蝕まれないように願います。
高橋 皇室外交というのは、皇室が政治家に利用される一面があるのです。危険
なことなんですよ。
櫻井 そもそも東宮妃となるにあたって、雅子様がどういうお考えを持っていら
したのか。外務官僚としてのキャリアの延長線上に皇室外交ということを志して、
公務の見直しをご夫妻で考えているのだとすると、それは皇室の伝統とは相容れ
ないと思うのです。お二人は皇族としてかなり難しい問題に直面せざるを得ない
と思うんですが。