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在日韓国人にとって歴史的な1票行使となった第19代韓国国会議員選挙。それぞれに感慨深いものが
あったにちがいない。
投票した同胞の中で珍しいケースがあった。日本国籍を取得したうえで投票することができたのだ。そ
のAさんは、公務員を希望する子どもの就職関係で悩んだ末、日本国籍取得の手続きを進めていたさな
かの昨年11月に、国会議員選挙の登録を行った。
その1週間後に日本国籍取得の許可が出た。総領事館に問い合わせたところ、「韓国籍のパスポートが
まだ有効なので、投票は大丈夫」とのお墨付きをもらった。
今回の1票は、後にも先にも、たった1度だけの貴重な体験となった。インターネットなどで韓国の政党
について調べたものの、よくわからず、政党の選択にとまどった。それでも、「生まれて初めての投票に
は感激した」という。
それよりもAさんは、同胞の投票数が伸びなかったことに不満を示した。「選挙管理委員会はもっと投票
しやすい環境にし、手続きを簡素化すべきだ」と。
日本国籍は取得したものの、「民族意識は人一倍強い」と語る。これまで県本部の役員を務めたことも
あり、現在も傘下団体などの要職にある。
そのAさんが楽しみにしているものがある。民団規約が改正され、日本国籍でも支部の長に就くことが
可能になったからだ。かねてから支部団長をやってみたいと考えていただけに、その道が開けたことに
喜びを隠しきれない。
「在日同胞のためになにかやりたい」。その思いは、今なお強い。だからこそ、韓国の国政選挙にも参加
したのだ。(Q)
(2012.4.25 民団新聞)
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