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武田邦彦氏と言えば、中部大学教授で、
資源問題等に関する解説でテレビ・マスコミで有名な方です。
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」シリーズや、「『地球温暖化』論で
日本人が殺される!」、「暴走する『偽』環境ビジネス」等の著書で有名ですが、
「大麻ヒステリー」という著作を手にしたので、メモしたいと思います。
特に酷いと感じたのは第4章「大麻とカンナビノールが精神に及ぼす影響」という
章です。武田邦彦氏は「大麻は健康上は問題はない」とか「大麻はアルコールや
ニコチン・タバコよる安全」との主張をしています。しかしながら、武田邦彦氏が
依拠する「科学的根拠」とするものは、1893~1972 年に作成されたものと極めて
古く、例えば1997年に発表されたWHO世界保健機構のレポート等にまったく言及し
ていません。また、大麻とアルコール・ニコチン・タバコとの危険性の比較でも、
1963年と極めて古いレポートを参照しています。現在と過去では、流通する大麻に
含まれるカンナビノールの成分に大きな隔たりがありますから、自己の主張に
都合のいい古いレポートのみを持ち出すのは明らかに「ペテン」です。
また、武田氏が参照している「1994年にアメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)の
比較表」というのは、NIDAが組織として発表したものではありません。
この比較表というのは、NIDAに所属する一研究員と外部研究者が恣意的に
ランク付けした表がニューヨークタイムズNew York Timesに掲載されただけの
もので、査読、つまり専門家による科学的検証を経たものではありません。
その証拠に武田氏は、この比較表の出典を一切記載しないという、
科学者が執筆する文章として、あるまじき態度を取っています。