06/11/22 17:53:52 MyGavpin
>>943
>憂いてる自分自身が過去の遺物
スレも終わりですが、最近、マジでつくづくそう思う。例えば「三丁目の夕日」のような
ベタもベタが受けるのは、CMや予告編のイメージを裏切るようなことが一切
起こらず、快く擬似ノスタルジーと擬似人情劇を楽しめるからであって、劇的葛藤も演出の芸も存在しないから。
(信者は抗弁するけどね)
これに比べれば山田洋次など恐ろしく良心的で、寅さんなど観客の「明るく楽しい
人情劇」というイメージを満足させつつ、随所のディテールや中身では実は結構
裏切ることをしているんだよね。人情劇のイメージを観に来ただけの人も、そういう
ディテールやテーマを観に来た人も、双方を満足させるわけですよ。
あるいはマキノ雅弘や加藤泰などはテーマは単純かもしれないが、演出の至芸だけで見せてくれる。
この類の劇的葛藤の高まりは、観客にとってはもう邪魔なものなのかもしれない。
反対に表象系の人や批評が誉めたり映画祭で受けるようなものには「ドラマ」がないんだよ。
90年代以降に小津映画の誤読が流行ったけど、要するに環境ビデオを見てその
絵がいい悪いと言っているようなものなんだよね。
一般大衆レベルでも批評レベルでもドラマなんかもう要らないんじゃないかな。