06/02/19 13:06:18 wl3Gv+Wg
「重要なのは、幼虫が我々の手中にあると連中が信じていることであって、
現実の幼虫の生死は問題じゃない。
奪還されるリスクを冒さず、しかもその死亡を蟲に確認させないために
取るべき方法は一つしかない。いいか。幼虫はその生存の可能性を留保し
続けるために、今ここで死ぬしかないんだ。そんな事は、修羅場を踏んで
きた幼虫自身、先刻承知のことだ。
谷を離れて、蟲の元へ行きたくなったか?
だがな、蟲の殻をかぶって、蟲と隣り合わせに生きていても、人間が蟲に
なれるわけじゃない。自分の身体で運んだ胞子で多くの命を奪った、あの
蟲の罪が決して消えないようにな」
「わたしは一体………」
「どうしたらいいか教えてほしいか。
蟲と関わりを持った人間の物語に結末をつけろ。お前が人でいられる間に」