05/12/21 17:35:50 48+HStx70
夫の帰りは遅い。土曜も、礼拝日も家に居ることは少ない。今日も七つ五つの子供らと帰りを待つ。
ふと、食卓で眠っている自分に気がついた。もう後半刻程で日付が変わる。ストーブの火は既に弱く、
小さな毛布が2枚、私の肩に掛けてあった。慌てて子らを探すと、縦横間違った布団に二人ですやすやと
眠っておる。枕元には靴下が置いてあった。
ああ、折角の祝福の日に心配を掛けて済まない、でも愛しておりますよ。天使たる二人の額に軽くキスをした。
部屋を出食卓にてニュースを見る。私の学友である滝川が原稿を読んでいた。仏文科の頃より随分綺麗になった。
しかし話す時、偶に舌を噛むような話し方をするところ、変わっていない。画面に映る優しい表情、思い出せば
眼前のケーキを見るあの頃のものだ。キャンパスの帰りは、二人で表参道にて甘味を一緒にとるのが習慣で
あった。
CM前の彼女の微笑みに合わせ私も笑顔を作った。私は、本当に笑っているのだろうか?
ニュースは終わり、時計が鳴るのを聞いている内にまた眠くなってしまった。奈良漬と飯を軽く摂り、白湯を
飲んで子らの傍で横になる。すうすう二つの寝息だけが聞こえていた。
こんばんは、滝川クリステルです。