06/05/14 21:17:51 Bj+nRTyz0
ジュクジュクジュク・・・
自室に閉じこもって脅えきっている鈴原教授の背後から不気味な音が聞こえる。
教授が振り向いたそこには驚くべき光景が広がっていた。
補強した金属製のドアはドロドロに溶かされ、部屋の中に女性と思われる改造人間が入り込んでいた。
「ひいっ!」
「シュシュシュシュシュ・・・
おまえが組織の裏切り者の鈴原教授ね。そんなに驚かなくてもいいじゃない。
蜥蜴男はあなたの生徒だったんでしょ? 信頼するあなたに裏切られた彼の気持ち分かる?」
「来るな!来るな!」
「自分は殺されたくないからって本郷にアジトの位置を教えて、
そのせいで蜥蜴男は死に組織は大きな損害を受けたわ。」
「いやっ、あれは違うんだ。仕方なく・・・ 頼む、大首領に頼み込んでくれ!」
「シュシュシュシュシュ・・・
偉大なる大首領様はもうお前を必要としていないわ。死になさい!」
ピューッ!
蠍女の尻尾から赤い毒液が発射される。
「うわっ、やめろ!うわわっ!ギャァーッ!」
ジュクジュクジュク・・・
毒液を全身に浴びた教授の身体が崩れてゆく。
「シュシュシュシュシュ・・・ 組織を裏切るとこうなるのよ。」
“よくやった蠍女。明日からはいよいよ本郷猛抹殺計画を開始する。”
蠍女の頭に大首領の声が流れる。
「お褒めの言葉ありがとうございます。本郷はわたしが必ず倒してみせます。」
そう言うと蠍女は沙希の姿に戻った。
“いよいよ明日から本郷との戦いが始まるのね。今日は早く家へ帰ってゆっくり休もう。”
彼女は鈴原邸をあとにすると、足早に駅へと向かった。